スペインのビザ申請に向けて医療保険を探していると、こんな2つのプランが並んでいることがあります。
「月額40ユーロ」と「月額70ユーロ」
しかも、どちらにも「ビザ要件対応」の文字。
それなら安いほうでいいかな…と思ってしまうのは、自然なことですよね。
ただ、ビザ申請用の医療保険は、保険料だけで決めてしまうと思わぬ落とし穴があります。同じ「ビザ要件対応」でも、補償の中身や発行される証明書を見比べると、意外と差があるんです。
画像 価格の差は、パンフレットに大きく書かれない部分に出やすいものです
今回は、安いプランと高いプランの違いがどこに出るのかを、6つのチェックポイントに整理しました。
保険料が安いのには理由がある
月40ユーロと月70ユーロ。1年で考えると360ユーロもの差になります。
でも、安い保険には安くできる理由があるものです。多くの場合、それは補償の範囲や条件に表れます。
ビザ申請用の医療保険を選ぶときに見ておきたいのは、次の6点です。
・医療費の補償に上限がないか
・自己負担と待機期間がないか
・スペイン全土で利用できるか
・保険証明書に必要な文言が入っているか
・健康状態の告知が正しく行われているか
・遺体搬送費(repatriación)が含まれているか
どれか1つでも欠けていると、せっかく加入した保険がビザ申請で使えない可能性もあります。順番に見ていきましょう。
チェック① 医療費の補償に上限が設けられていないか

まず確認したいのが、医療費の補償額に上限があるかどうかです。
「医療費100%補償」とうたっていても、よく読むと「年間30,000ユーロまで」のように上限が決められている商品があります。
つまり、「100%補償」と「ビザ申請に使える保険」はイコールではありません。
補償の割合だけでなく、上限の有無まで確認するのがポイントです。
チェック② 自己負担(copago)と待機期間(carencia)の両方がないか

次に見るのは、スペイン語で書かれた2つの条件です。
■ sin copago(自己負担なし)
・受診のたびに、窓口で自己負担金を支払う必要がないこと
■ sin carencia(待機期間なし)
・加入後すぐに補償が使えること。「この治療は加入から3か月後から」といった待ち期間がない状態です
「自己負担なし」と書いてあっても、待機期間は設定されている、というケースもあります。
ビザ申請では、この2つがそろっているかをセットで確認してください。
チェック③ 住む地域を含め、スペイン全土で使えるか

「外国人向け」「ビザ申請者向け」と紹介されている保険でも、利用できるエリアが限られていることがあります。
なかには、特定の州や地域だけを対象にした医療保険もあるんです
まずは自分が住む予定の地域で使えるかどうか。そのうえで、スペイン全国をカバーしているかも確認しておくと安心です。
▶提携先病院についてはこちらの記事を確認ください。
チェック④ 提出する保険証明書に必要な条件が明記されているか

ビザ申請の現場では、ここがいちばん大きな分かれ目になります。
保険会社のウェブサイトに「ビザ要件を満たしています」と書かれていても、それだけで判断するのは危険です。
なぜなら、申請時に提出するのはウェブサイトの説明文ではなく、加入後に発行される保険証明書だからです。
販売時に「ビザ要件対応」と案内されていたとしても、証明書そのものに必要な条件が記載されていなければ、申請で通用しない可能性があります。
加入前に「どんな内容の証明書が発行されるのか」まで確認しておきましょう。
チェック⑤ 健康状態の告知を省いていないか

申込みのときに、
「昔の病気まで書かなくていいよね」
「既往症は、書かずに除外扱いにすれば大丈夫」
と考えてしまう方もいらっしゃいます。
でも、自己判断で健康状態の告知を省くのはとても危険です。
スペインの保険契約法(Ley de Contrato de Seguro)第10条では、契約を結ぶ前に、保険会社から質問された内容について重要な事実を正しく申告することが求められています。
「古い情報だから伝えなくていい」とは限らないんです。
告知が不十分だと、あとから契約自体が問題になり、医療費を全額自己負担することになるケースもあります、、、。
詳しくは、下記の記事で解説しています。
(関連記事リンク)
チェック⑥ 遺体搬送費(repatriación)が補償に入っているか

最後のポイントは、repatriación(遺体搬送費)の補償です。
repatriaciónとは、万が一スペイン滞在中に亡くなった場合に、ご遺体を母国まで搬送する費用をカバーするものです。
ビザ申請では、医療費だけでなく、この搬送費用の補償が含まれているかも大切なチェック項目になります。
加入前の確認が、ビザ申請をスムーズにする
ここまで6つのポイントを見てきました。
毎月30ユーロの差があれば、安いほうに目が行くのは当然のことです。
ただ、ビザ申請用の保険で本当に大事なのは、「安いか高いか」ではなく「自分のビザ申請に必要な条件を満たしているか」です。
加入したあとで「この条件が足りなかった」と気づいても、申請のスケジュールによっては間に合わないこともあります。
だからこそ、補償内容と証明書の中身は、加入前にしっかり確認しておきましょう。
とくに、はじめてスペインのビザを申請する方や、持病・過去の病気について不安がある方は、保険料だけで決めずに一度ご相談ください。
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